- はじめに
- 日系・外資系航空会社でキャビンアテンダントになってみてわかった7つのメリットと4つのデメリットとは?
- 実際に働いてみてわかった日系航空会社のメリット①丁寧なサービスができる
- 日系航空会社のメリット②座席、シートポケット、化粧室など機内全体が綺麗
- 日系航空会社のメリット③働きやすいスケジュール
- 日系航空会社のデメリット①上下関係が厳しい
- 日系航空会社のデメリット②チーフパーサーによって重視していることが全く違う
- 外資系航空会社のメリット①クルー同士で気を遣い過ぎることなく仕事ができる
- 外資系航空会社のメリット②デブリ(デブリーフィング)がない
- 外資系航空会社のメリット③常に英語(外国語)に触れていられる
- 外資系航空会社のメリット④外国人のお客様は接しやすい
- 外資系航空会社のデメリット①拘束時間が長い
- 外資系航空会社のデメリット②なかなか家に帰れない
- 日系航空会社と外資系航空会社では仕事の内容に違いはあるの?
はじめに
私のキャリアについて簡単にご説明させていただきます。
私は日系航空会社と外資系航空会社で客室乗務員をしておりました。
日系には2015年から2018年までの約3年間、外資系には2018年から2019年までの約1年間勤務しておりました。
CAになるためにはまず面接で狭き門をくぐり抜け、入社してからは一息つく間も無く厳しい訓練が始まります。
この訓練に合格しないと本当にクビになってしまうので、訓練期間中は半分うつ状態に陥りながらも同期みんなで力を合わせて必死で乗り越えました。
訓練の詳細につきましてはこちらの記事をご覧ください。

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日系・外資系航空会社でキャビンアテンダントになってみてわかった7つのメリットと4つのデメリットとは?
日系の航空会社と外資系の航空会社にCAとして勤務してわかったことをまとめてみました。
私が実際に働いてみてわかった日系航空会社のメリットは次の3点です。
日系航空会社のメリット
- 丁寧なサービスができる
- 座席、シートポケット、化粧室など機内全体が綺麗
- 働きやすいスケジュール
私が実際に働いてみてわかった日系航空会社のデメリットは次の2点です。
日系航空会社のデメリット
- 上下関係が厳しい
- チーフパーサーによって重視していることが全く違う
私が実際に働いてみてわかった外資系航空会社のメリットは次の4点です。
外資系航空会社のメリット
- クルー同士で気を遣い過ぎることなく仕事ができる
- デブリ(デブリーフィング)がない
- 常に英語(外国語)に触れていられる
- 外国人のお客様は接しやすい
私が実際に働いてみてわかった外資系航空会社のデメリットは次の2点です。
外資系航空会社のデメリット
- 拘束時間が長い
- なかなか家に帰れない
それでは詳しく解説していきますね。
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実際に働いてみてわかった日系航空会社のメリット①丁寧なサービスができる
私はお客様にお飲み物やお食事をお配りするときは、一人ひとりに搭乗御礼をしながら
笑顔で丁寧にサービスをしていました。
基本的にお客様一人ひとりとコミュニケーションが取れるのはこのサービスの時間だけですので、お客様の笑顔が間近で見れるこの時間は私にとって楽しく幸せな時間でした。
特にお子様については、恥ずかしがりながらも一生懸命『りんごジュースください♡』と言われたときは可愛くて仕方ありません。
本来であればCAがお客様に元気を与えなければならないのですが、このように逆にCAがお客様から元気や癒しをいただくことが多いです。
ただしフライトタイムが短かったり揺れが予想される便では、安全性そして平等性(=時間内にお客様全員にサービスをご提供しなければならない)からあまり時間をかけることはできません。
ですので状況によっては一人ひとりのお客様とゆっくり会話ができないこともあり、そういった時は残念に感じます。
日系航空会社のメリット②座席、シートポケット、化粧室など機内全体が綺麗
外資系航空会社ですと座席が汚れていたり、シートポケット内のグッズが揃っていなかったり、ゴミが入っていたり、化粧室の床が水浸しだったり、などかなり汚いです。
目的地に到着し、清掃係りの方が機内を清掃してくださるのですが、シートポケットにゴミが入ったままであったりすることが多く、改めて日本の清掃クオリティーは素晴らしいなと思いました。
日系航空会社のメリット③働きやすいスケジュール
国内線だけでしたので、早朝からの出勤の場合はお昼過ぎには勤務終了し、勤務終了から次の日の勤務開始までのインターバルも決まった時間が確保されていました。
ですのでステイ先で買い物や食事を楽しむことができていました。
例えば早番の沖縄(那覇)ステイの時はお昼過ぎにステイ先のホテルに到着し、国際通りにある安くてオススメなネイルサロンでネイルをお直しし、夕方からキャプテン達とみんなで沖縄料理を食べるというのがいつもの流れでした。
日系航空会社のデメリット①上下関係が厳しい
1日でも早く入社すれば年下でも先輩です。
先輩が何かしようとしていたら後輩が率先して動かなければならないので、お客様だけでなく先輩クルーにも常に気を配らなければなりません。
例えば先輩クルーが何か荷物を持っていたら代わりに持つ、何か書類を書こうとしていたら代わりに書く、目の前にドアがあったら先回りしてドアを開けて待機、などです。
入社したばかりの頃はまるでダチョウ倶楽部さんのコントかのように『私がやります!!』を連呼していました。
日系航空会社のデメリット②チーフパーサーによって重視していることが全く違う
サービスを重視される方やスピードを重視される方など様々な方がいらっしゃいます。
同じことをしても褒めてくださる方もいればお怒りになる方もいらっしゃるので新人の頃はかなり混乱しました。
例えばお客様にお飲み物をお配りする際に一人ひとりに丁寧に時間をかけてサービスをしていると、『きめ細やかなサービスが素晴らしい!』と褒めてくださる方もいれば、『早くカートを進めてよ!』と言わんばかりの視線でプレッシャーをかけてきたり、無理やりカートを押してくる方もいらっしゃいます。
ですので初めて一緒にフライトする方がいる場合は、可能な限り事前に同期などにその方の情報(=重視していることは何か?など)を入手するようにしていました。
新人の頃は『なんでこんなに人によってやり方が違うのだろう?』と疑問に思っていましたが、どのチーフパーサーもご自身の長年の経験からそのやり方が『最も安全でお客様にとって快適だ』と信念を持って乗務されているので、どのやり方も正しいと気がつきました。
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外資系航空会社のメリット①クルー同士で気を遣い過ぎることなく仕事ができる
このメリットが私の中で一番大きいです。
もちろんチームで働いているのでクルー同士でお互いを尊重したり、相手が働きやすいように率先して動くなど最低限の気は遣いますが、日系航空会社ほど過剰に気を遣う必要がなく、サバサバした方が多いのでとても働きやすいです。
日本人だからといっていじめられるということもありません。
(ただ稀に『日本人が嫌い!』という外国人クルーもいらっしゃり、その場合はフライト中にどんなに良いパフォーマンスをしてもなかなか打ち解けることが出来ません。それは仕方ないことで、自分ではどうすることも出来ないのでただ時間が過ぎるのを待ちます。そして『終わらないフライトは無い!』と自分に言い聞かせます(笑)。)
外資系航空会社のメリット②デブリ(デブリーフィング)がない
日系航空会社ではデブリーフィングといって乗務終了後に毎回反省会がありました。
反省すべき点がある時は、自分はどう動くべきだったのか、その理由、今後の改善策をまとめて発表します。
平和にフライトが終わり、反省点は特に無かったとしてもデブリはあるので、何を発言しようか悩むことも多くありました。
一方外資では基本的にデブリはなく、何かミスをしたとしてもその場で注意されてその場で解決!という感じなので長々と引きずることなく、すぐに切り替えて次に活かすことができます。
ですのでフライト中に『デブリで怒られる・・・。』という心配をする必要はありません。
外資系航空会社のメリット③常に英語(外国語)に触れていられる
英語が好きな私にとってはこの環境はとてもありがたいです。
お客様や他のクルーと密にコミュニケーションが取れるように、日々英語の勉強をしています。
また中華系の航空会社でしたら中国語がメインのコミュニケーション言語となりますので、中国語が得意な方はその能力を活かすことが出来ます。
外資系航空会社のメリット④外国人のお客様は接しやすい
日本のように「お客様は神様だ」という文化がなく、お客様も働く側も対等な関係なので働きやすいです。
例えばこのようなエピソードがあります。
以前ドリンクサービス中に軽いタービュランス(揺れ)が発生し、お客様のお召し物に水を数滴こぼしてしまいました。
私はすぐに水を拭いて謝罪し、お客様は笑顔で『気にしないで!』と仰いました。
そこで驚いたのが、一緒にドリンクサービスをしていたクルーが一緒に謝るのかと思いきや、『この国ではCAに水をかけられたお客様はお金持ちになれるという言い伝えがあるのよ!』とお客様に伝え、水がかかってしまったお客様は『ラッキー!』と喜び始めるわ、周りのお客様も『僕も水をかけられたい!(笑)』とまで仰っていました。
私はお客様に水をかけてしまったのに、お客様と一緒にドリンクサービスをしていたクルーのおかげでとても幸せな気持ちになりました。
これは外資でしか体験できない、有難く、素敵な出来事だと思います。
外資系航空会社のデメリット①拘束時間が長い
私が勤めていた航空会社は平均的な拘束時間は12時間程でした。
朝の6時代に出勤し夕方の18時代に勤務終了といった感じです。
一番大変なスケジュールですと朝の4時代に出勤し、夜の22時代に勤務終了する18時間拘束されるパターンがありました。
このスケジュールでは全部で4便飛ぶのですが、4便目は疲れのピークで意識が朦朧としており、フライトが終わる頃には全身筋肉痛で動くこともままなりませんでした。
外資系航空会社のデメリット②なかなか家に帰れない
国際線を飛んでいますし、自分で選んだ道なので仕方ないのですが、月の半分以上家を空けているのでもう少し家に居れたらいいなと思います。
一人暮らしの同期は「高い家賃を払っているのに全然家に居ないからもったいない。」とよく言っています。
それぞれのご家庭によるかと思いますが、結婚したり、子供が居たりするとこういったお仕事を続けるのはなかなか難しいと思うので、独身のうちにこのお仕事を楽しみ、そしてやり切ることをお勧めします。
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日系航空会社と外資系航空会社では仕事の内容に違いはあるの?
みなさまはCAのお仕事内容にご興味はありますか?
日系航空会社と外資系航空会社とで仕事内容は違うのか気になる方もいらっしゃると思います。
両方経験した私の意見としては、外資系ですと通訳としての業務も加わってきますが仕事の流れは自体はそこまで変わらないと思います。
ですのでこれから外資系航空会社に入社される方で訓練を控えている方は下記のお仕事の流れを読んである程度把握しておくと、英語での訓練が心配な方でも理解しやすいと思います。
今回は羽田空港発、国内地方空港着を例にしてCAの1日のお仕事の流れについてご紹介させていただきます。
ブリーフィング開始
ブリーフィングは飛行機が出発する90分前に始まります。
ブリーフィング開始の30〜40分前くらいに出社し、制服に着替えて身だしなみを整えます。
ブリーフィングでは以下のようなことを行います。
ブリーフィングで行うこと
- クルー全員の身だしなみのチェック
- 知識確認(チーフパーサーから新人へ、乗務に必要な知識の問題が出されます。)
- その日に乗務するフライトのお客様の人数の確認
- お手伝いが必要なお客様はいらっしゃるか?いらっしゃる場合はお座席はどこか?の確認
- サービスの流れの確認
その後キャプテン達が合流し、フライトタイムや揺れの情報などを教えてもらいます。
シップイン(飛行機に搭乗)
空港内にあるスタッフ専用のセキュリティーチェックを通り、飛行機に乗り込みます。
プリフライトチェック
機内の非常用装備品(消火器や酸素ボトルなど)の個数や状態をチェックします。
火災が発生したり、急病人が発生した際に必要になる大切な備品ですので念入りにチェックします。
万が一、規定の状態を満たしていない備品があった場合はすぐに整備さんを呼んで見てもらいます。
搭載品チェック
サービスに必要なもの(お飲み物やお食事、機内販売商品など)の数と品質をチェックします。
短い時間の中で多くの搭載品を数えなければならないので、優先順位を付けて効率的にチェックしなければなりません。
セキュリティーチェック
機内に不審なものが無いかチェックします。
このチェックは乗務員以外の人(整備さん、清掃さん、地上係員の方など)が全員飛行機から降りたことを確認してから行います。
なぜかというと、乗務員以外の人が不審物を機内に仕掛ける可能性もあるからです。
万が一不審物が載ったまま離陸してしまうと、大変なことになってしまうので、このチェックも安全運航のための大切な業務の一つです。
ボーディング
お客様を笑顔でお迎えしつつ、お荷物収納のお手伝いをしたり、お困りの方や不審な方がいないか気にかけます。
冬でも汗だくになる程、CAにとってはこのボーディングの時間帯が一番ハードです。
ドアクローズ、羽田空港出発
ドアクローズ後、ドアモードをアームドに変更し飛行機は出発します。
アームドにすることで緊急事態が発生した際にドアを開けると自動的にスライド(滑り台のようなもの)が出る仕組みになっています。
ドアモードチェンジは安全に関わる重要な業務の一つなので、この業務はいつも細心の注意を払って行っています。
離陸前安全性チェック
シートベルトが着用されているか、背もたれやテーブルは倒れていないか
荷物は緊急脱出時の妨げになる場所に置いていないかなどを確実にチェックします。
ここでよくお子様がシーベルトを締めるのを嫌がられたりするのですが、安全を確認しないと離陸が出来ないので、心を鬼にして(顔は笑顔で(笑))必ず締めていただきます。
羽田空港離陸
離着陸時は緊急事態が起こりやすい時間帯のため、この時間は緊急事態が発生した際の動きをリマインドしています。
またシートベルト着用のサインが消える前に、お客様がシートベルトを外して立ち上がったりされないよう、機内の様子もしっかり監視しています。
サービス開始
お飲み物やお食事をお配りしたり、不用品の回収をしたりします。
また合間を見てこまめにお手洗いの清掃も行います。
このお手洗いの清掃はもちろんお客様に気持ちよくお使いいただくためでもありますが、お手洗いに不審物が隠されていたり、タバコを吸われた形跡がないかなどをチェックするためでもあるので、出来るだけ一人のお客様が出られる度に毎回お手洗いを覗くようにしています。
着陸前安全性チェック
離陸前安全性チェックと同様です。
安全が確認できないと着陸することは出来ません。
地方空港着陸
着陸し駐機場到着後、ドアモードをディスアームドに変更します。
ディスアームドに変えることでドアを開けてもスライドは出てこなくなります。
逆に通常時にアームドのままドアを開けてしまうと、ドアの外側にいる方にスライドが直撃し死に至る可能性があるので、こちらも細心の注意を払って操作をしなければなりません。
お客様降機
お客様に感謝の気持ちを込めて、一人一人に笑顔でお見送りします。
忘れ物チェック
忘れ物が見つかったら地上係員の方へ引き継ぎます。
時々クロスピック(お客様が違うお客様の荷物を間違えて持って帰ってしまうこと)が発生するので、ボーディング時に似たようなお土産袋が同じ棚に収納されていた場合は『似通ったお荷物がございますので、お降りの際はお気をつけください。』などど一声かけると未然防止に繋がります。
清掃
次便のお客様が快適に過ごせるよう、汚れているシートを交換したり、シートポケット内の補充をしたり、掃除機をかけたりします。
そして次便があれば次便の準備を行います。
(セキュリティーチェックから始まります。)
以上の流れを繰り返し、その日の乗務が終わったらオフィスに帰ってデブリーフィング(反省会)を行い、業務終了となります。
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まとめ
まずメリットデメリットに関してですが、あくまで私の勝手な意見ですので私の考えるメリットがみなさまにとってはデメリットに感じたり、私の考えるデメリットがみなさまにとってはメリットに感じることもあるかもしれません。
またそれぞれの航空会社によって規定ややり方(働き方)が異なると思うので、日系航空会社は全部こう!外資系航空会社は全部こう!というわけではございませんので、それを踏まえたうえでご覧いただけたら幸いです。
日系航空会社、外資系航空会社でそれぞれ良い点とそうでない点があり、人によって日系のほうが合ってる方もいますし、外資系のほうが働きやすいという方もいます。
例えば日本のきめ細やかなおもてなしを学びたいという方は日系の方が良いですし、細かいことはあまり気にせず楽しくフライトがしたい、また英語(外国語)を使って仕事がしたいという方は外資の方が良いかと思います。
私としては外資に転職してから上下関係に関するストレスが減りましたし、何より仕事が楽しかったです。
また、異文化の中で揉まれながらも成長できたと思うので外資系航空会社のCAも経験できて良かったと思っています。
そして最後に、CAになるには高い教養も必要となります。
高い教養を身につけるためには、色々な方の考えを知ることや幅広い分野の本を読むことが大切です。
ですが、忙しくてなかなか本を読む時間がない方が多いかと思います。
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